第13回: MIDI/OSC
今回の授業では電子楽器や、DAWなどのソフトウェアとMIDIやOSCを使ってコミュニケーションする方法を紹介します。
MIDIデバイスのセットアップ
TouchDesignerでMIDI機器を使うときは、Dialogs > MIDI Device Mapper
を選択して MIDI Mapper
ウィンドウを開きます。
Create New Mapping
ボタンを押して、新しく追加された行の In Device
、 Out Device
をそれぞれ選択すればMIDI機器のセットアップは完了です。
接続ができていれば MIDI Console
に入力されたMIDIメッセージが出てくるはずです。
また、MIDI In CHOP
は .mid
ファイルも読み込むことができます。デフォルトの状態だとノートNoが60のものしか読み込まない設定になっていますが、 Note > Note Scope
のパラメーターを 1-127
などに変更するとそれに応じて取得できるノートが変化します。
MIDIの入力
/project1/MIDI_INPUT
MIDIの入力には Midi In CHOP
を使います。
MIDI In CHOP
では、チャンネルの順番が入力のあった順で並べられてしまうので、Replace CHOP
を使って必要なMIDIのチャンネルを整理しておくと後々に使い易くなります。
チャンネル名は ch1n60
や、 ch1ctrl1
といった名前が自動的に割り振られます。そのチャンネル名が各ツマミや鍵盤のIDになります。
MIDIの入力を使ったアニメーション
/project1/MIDI_INPUT_ANIMATIOn
Event CHOP
を使うと入力したCHOPのメッセージから時間軸をもったアニメーションを作ることができます。
アニメーションはシンセサイザーなどでよく使われるADSRタイプのイベント時間軸に沿って並列に処理されるので、インスタンシングを使って簡単にアニメーションさせることができます。
MIDIの出力
/project1/MIDI_OUTPUT
MIDIの出力には MIDI Out CHOP
を使います。
入力の時と同じように、ch1n60
や ch1ctrl1
のようなチャンネル名のデータを MIDI Out CHOP
に入力すると選択したMIDI機器にメッセージが送信されます。
そこまで使用頻度は高くないかもしれませんが、CHOPを使って自分で考えたスケールにMIDIノートを変換したり、自動演奏システムのような物を作る時などに役に立つかもしれません。
仮想MIDIデバイス
仮想MIDIデバイスを使うとPC内の他のDAW等とMIDIメッセージのやりとりができます。
OSXでは IAC Bus
というOSのデフォルト機能で、Windowsでは loopMIDI というフリーソフトウェアを使うのがオススメです。
How to setup a virtual MIDI bus
OSC
/project1/OSC
OSC In CHOP
、OSC Out CHOP
を使うと、Maxなど他のソフトウェアとOSCを使った通信ができます。
ポートの設定さえできてしまえばとても簡単に使うことができますが、チャンネル名の先頭の /
の扱いに多少注意が必要です。
TDAbleton
TouchDesingerとAbleton Liveを相互に接続する TDAbleton
というツールを紹介します。(僕もそこまで使っている訳ではないので概要とサンプルを立ち上げてみるぐらいしかできませんが…)
TDAbleton - TouchDesigner Documentation
セットアップ
TDAbletonを使うには、Ableton LiveにTDAbleton用のファイルをセットアップする必要があります。
- TouchDesignerがインストールされた場所から
TDAbleton
のフォルダーを探します。Windowsの場合はC:\Program Files\Derivative\TouchDesigner099\Samples\TDAbleton
、OSXの場合はTouchDesigner.app/Samples/TDAbleton
あたりにあるはずです。 Samples/TDAbleton/TouchDesigner
のフォルダーを、MIDI Remote Scripts
フォルダーにコピーします。Windowsの場合は%HOME%\ProgramData\Ableton\Live x.x\Resources\MIDI Remote Scripts\
、OSXの場合はAbleton Live.app/Contents/AppResources/MIDI Remote Scripts/
あたりにあるはずです- Ableton Liveを起動して、
Perference
を開き、Link MIDI
のタブの中のControl Surface
からTouchDesigner
を選択します
Ableton Liveのセットアップが終わると、Pallet
の TDABleton > tdAbletonPackage
をネットワークエディターにドラッグ&ドロップして作成します。
Ableton Liveで Samples\TDAbleton\Demo Project\TDADemo Live Set\TDADemo Set.als
を開くと、TDAbletonと接続され、各トラックの情報や、エフェクトのパラメーター等が同期しているのがわかると思います。