第2回: 基本的なUI - CHOP基礎
基本的なUI要素の解説
- ネットワークエディター
- ここにオペレーターを配置してネットワークを作っていきます。
- OP Create Dialog
- ネットワークエディター上で
TAB
を押すと出てきます。 - オペレーターサーチボックス
- ここに文字を打ち込むとオペレーターの検索ができます
- オペレータータブ
- どのタイプのオペレーターを作るかを選択します
TAB
/Shift-TAB
で種類の切り替えができます - オペレーター
- TouchDesignerでプログラムを作っていく上での基本要素です。Viewer, Bypass, Lock, Viewer Activeについては次週以降解説します
- パラメーターウィンドウ
- オペレーターの挙動を決定するパラメーターを設定するウィンドウです。ナンバーボックスやスライダー、パルス、トグルなど、いくつかのタイプのパラメーターがあります。
- パラメーターウィンドウタブ
- パラメーターのカテゴリを切り替えます
- タイムライン
- 全体の処理の再生、停止をコントロールします。
パラメーターの調整
ナンバーボックスをマウスの中ボタンでクリックすると、パラメーター調整用のインターフェースが表示されます。
マウスの中ボタンを押した状態で左右に動かすとパラメーターが変更できます。
また、このインタフェイスは上下に展開された 10
/ 1
/ 0.1
などのスケールをにマウスをフォーカスして左右に移動させると、それぞれのスケール値に応じた値のコントロールができるようになっています。
この機能によって大幅なアタリづけから、値の微調整まで同じインターフェースで行えます
設定によって Alt+右クリック で中クリックの代用をすることもできます。ですが、操作性に差があるので真ん中クリックのできるマウスを使うことをオススメします。
オペレーターを作ってみよう
では実際にオペレーターを作ってみましょう。
LFO CHOP
を作って、Freqency
(周波数) を変更してみてください。
CHOPオペレーターを組み合せる
Trail CHOP
さきほど作った LFO CHOP
の出力を、新たに Trail CHOP
を作ってそこ接続してみましょう。
Trail CHOP
は入力されたCHOPの値をグラフとして見やすい形に表示してくれるものです。
Math CHOP
次に、Math CHOP
を使って複数のCHOPの値を足し合せてみます。
Math CHOP
でオペレーター同士の計算をするには、OP > Combile CHOPs
から計算したい内容を選択します。たとえば足し算をする場合には Add
、かけ算をする場合には Multiply
といった具合です。
Math CHOP
にはほかにもたくさん便利な機能があります。その他の機能についてはまた別の機会に紹介します。
TIPS: オペレータのつなぎかえ
Math CHOP
など、複数のオペレーターを入力できるものはコードのつなぎ替えが面倒だったりします。
そういう時は、つなぎ替えたいオペレーターのアウトプットをドラッグして、つなぎ替えたいケーブルまでもっていって、ケーブルが黄色くなったのを確認してからマウスを離すとケーブルのつけかえができます。
また、つなぎかえがよく発生しそうだなと思ったらあらかじめ Null CHOP
(得に何もしないオペレーター) を間にはさんでおくとそれ以降の接続がスムーズにいけます。
チャンネル
CHOPには複数の値を1つのオペレーターで管理できる チャンネル と呼ばれる機能があります。これは、オーディオファイルなどのチャンネルとほとんど同じ感覚として扱えます。チャンネルを使うと複数のCHOPをまとめることができるので使い方を工夫すると効率的にネットワークを処理できます。
通常、複数のCHOPを束ねてマルチチャンネルのCHOPを作る時は Merge CHOP
を使います。
Math CHOP
で何も計算方法を指定しないでも同じことができますが、チャンネルをまとめることだけをしたい場合、Math CHOP
を使ってしまうと後から見返した場合に何をしたかったのかの意図がわかりにくくなるので Merge CHOP
を使うのがいいでしょう。
また、Math CHOP
にはチャンネル同士の足し算や引き算をするための Combile Channels
の処理もあります。こちらも Combile CHOPs
と同様によく使います。
↑ Combile CHOPs
と Combile Channels
の違い。Constant CHOP
は任意の名前、値のチャンネルを作れるCHOPです。
CHOPで音をコントロールする
オーディオファイルの再生
Audio File In CHOP
でオーディオファイルを読み込むことができます。それを Audio Device Out CHOP
に繋げるとスピーカーやヘッドフォンからその音が再生されます。
オーディオの信号はこれまで扱ってきたCHOPのチャンネルと一緒のものなので、Math CHOP
などを使って操作できます。たとえば、Combile CHOPs > Multiply
でかけ算をするとボリュームを調整できます。
オーディオのシンセサイズ
Audio Oscillator CHOP
を使うと簡単なシンセサイザーを作ることができます。ボリュームのコントロールに Trigger CHOP
を使うことで、ADSRスタイルのエンペローブを適応できます。
TouchDesignerはMax
やSupercollider
といった音楽向けのプログラミング環境と比べるとオーディオの生成処理は数段劣りますが、やってできない事はないです。
参考資料
- 映像音響処理概論 2018
- Visual Thinking with TouchDesigner プロが選ぶリアルタイムレンダリング&プロトタイピングの極意
- Matthew Ragan
- (DE)SIGN
- Generative Design
- TouchDesigner in Asia